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ゲームの企画やシナリオを仕事にしている8が、自分の活動を掲載していくブログです。同人の情報も掲載してあります。
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お待たせしました。シャルロッテSSのpart2です。
まず最初にお断りしておくと、通説になりつつある小児がん患者設定とか完全無視です←
あと、若干(というかかなり?)グロいです。少なくとも8の書いた中では一番グロいです(断言

まあ、まどマギという世界観がかなり救いようがない世界観ですからねぇ。それに合わせたというか、なんというか。端的にいえば、虚淵玄さんに影響受けまくったというかw

そんなこんなな、シャルSSのpart2です。

最高に救いのない狂った世界をあなたにお届けします。



テクテク
夜の街を一人でお散歩。
このあたりは海に近いから、潮風が気持ちよく頬をなでてくれる。
月は出ていないけど、近くのおうちから漏れてくるランプの明かりのおかげで、そんなに怖くもない。
おうちの方がよっぽど真っ暗だもんね。もう慣れちゃったけど。

「お譲ちゃん、こんなところで一人で歩いてると危ないよ。おうちはどこ?」
「あ、お巡りさん。こんばんわー」
声をかけてくれたのは、背の高いがっしりとしたお巡りさん。
パパよりも大きいな。でも、あまり怖い人じゃなさそう。
「はい。こんばんわ。挨拶ができるのは良いことだ。でも、こんな夜に女の子一人で出歩くのは関心しないな。お名前は?」
「私? 私はアクティーボ・ヴァン・シャルロッテだよ! シャルって呼んでね」
「アクティーボ……。そうか、あの呪われた家の生き残りか……」
「どうしたのお巡りさん?」
お腹でも痛いのかな。急にお巡りさんの顔が、痛い痛いって時の顔になっちゃった。

「いや、なんでもない。私は見回りを続けるから、君も早めに帰りなさい」
「はーい。またねー」
お巡りさんはまるでママがネズミを見つけたように、急に駆け出して行っちゃった。
う~ん? なんか変なのいたのかなぁ。もしかして、天使様を見ちゃったとか?

「それはないよ。僕の姿は人間には知覚できないからね。別の要因だろう」
私の肩に乗っかっている天使様が答える。でも、その声は私にしか聞こえないらしい。
声だけじゃなくて、姿かたちだって他の人には見れない。きっと、天使様に認められた人にしか見れないんだ。

「彼は、君のことを呪われた家の生き残りって言ってたね。それと何か関係があるんじゃないかな?」
「呪われてなんかいないよ~。パパもママも、すごく優しい人だったもん」
パパとママには怒られた思い出がないもん。呪われてるなんて、なにかの冗談に決まってるもの。

「そのようだね。君の話を聞く限り、君のお父さんとお母さんは、まるで天使のような人だったみたいだ」
「そうだよー。すっごく優しかったんだから。でも、おじさんとかはすっごく意地悪で大嫌い」
「君のお父さんとお母さんは亡くなっているみたいだけど、なんで亡くなってしまったんだい?」
「んーと。そのおじさんが、家にやってくるようになってから、おうちがどんどん貧乏になっちゃったの」

おじさんは私の家に来るたびに、大切な思い出をどんどん家の外に持ち出して行った。
おうちに飾ってたひまわりの絵も、遊んでくれたメイドさんも。そして、パパとママの笑顔だって。
持ち出すものが無くなったら、おじさんは来なくなった。だけど、食べ物だって、もう私の家には残ってなかったんだ。

「そうしたら、食べるものが無くなっちゃって。お父さんもお母さんも死んじゃったんだ」
「なるほど。さしづめ、そのおじさんという人は借金取りか何かだったんだろう」
「良く分からないけど、お父さんが持ってた船が沈んじゃって、色々な人にごめんなさいしなきゃいけないってパパ言ってたよ」
だから、パパとママはずっと色々な人に謝り続けてた。ごめんなさい、ごめんなさいって。
でも、誰も許してくれなかった。散々汚い言葉を言ったり、暴力振るったり、家の物を持ち出したり。
私が退治してる魔女なんかより、よっぽど酷かった。魔女は人間を食べるのであって、いじめないもん。

「でも、お父さんお母さんは死んで、君は生き残った。それはなぜだい?」
「ああ、それはね」

「私が、パパとママを食べたから」

「パパとママが死ぬ前にね、私たちを食べて生き残りなさいって言ってくれたの」

「だから、死んじゃってから食べたの。だから、パパとママも私の中で生きてるの」

言われた時はは食べたいなんて思わなかった。
でも、死んじゃったパパとママをそのままにしていたら、ネズミとか、ハエとか、色々な生き物がパパとママを狙うようになっちゃった。
最初はパパとママを守るために寝ないで頑張ったんだけど、もう疲れきっちゃって。
なんでこんなに疲れるんだろ。ああ、パパとママを守っているからか。じゃあ、もう守らないようにすればいいんだ。
そうだ、パパとママの死体がここから無くなれば良い。でも、私じゃ重くて運べない。
そうか。だったら、食べちゃえば良いんだ。


「なるほど。それは非常に合理的な選択だね。人間しては珍しく適切な判断だ」
「多くの人間は埋葬と称して、死体を土に埋めたり焼いたりする。そんなことをしても、少しの得にならないのに。全く、わけがわからないよ」
「難しいことは分からないけど、私それをしないと死んじゃうところだったから。ものすごくお腹すいてたんだもん」
天使様の言うことはよく分からない。でも、怒られてないみたいで良かった。
そっか、天使様は私のことを認めてくれるんだ。間違ってるのはみんなの方だったんだ。
そうだよね、大好きな人と離れ離れになるのは嫌だもん。だから、こうして食べちゃえば、ずっと一緒に居られるんだ。
なんでみんなは気づかないのかな?

「君は間違ったことをしていないよ。むしろそれを奨励すべきだ」
「ありがとう、天使様。さて、パパとママと一緒に、今日もガンバローっと」
私は両手をギュッと握りしめた。今は自分の手の感覚しかないけど、きっとパパとママにも手を握ってくれているんだ。
あの温かくて、大きくて、優しい手で。私の励ましてくれてるんだ。頑張らないと。
私は自分のお腹を一撫で

「ふーっ。疲れたぁー。甘いものでも食べようっと」
いつも下げているポーチに手を入れて、欲しいお菓子を思い浮かべる。
すると、ちゃーんと食べたいお菓子が出てくる。タネも仕掛けもない、魔法のおかげなの。
おかげで私はいつもお腹いっぱい。あー、幸せ~。

「君は本当に運が良い。グリーフシードがこんなに余ってる魔法少女は珍しいよ」
「そうなの? パパとママのおかげだよ」
「僕はそういう霊的なのは信じないのだけど、もしかしたらそうかもしれないね」
「えへへー。さてと、ベットでそろそろ寝ようっと」
お菓子を食べながら歩いてたら、いつの間にかおうちの前に着いちゃってた。
……あれ? あの馬車って……もしかして!

「お待ちしてましたよ。シャルロッテ嬢」
「むー。意地悪なおじさんだー。あっち行ってよ」
あーもう、またあのおじさんだ。あの人が来ると、一番パパとママが嫌そうな顔をするの、私知ってるもん!
今、魔法でやっつけちゃおうかな。パパとママもきっと喜んでくれるだろうし。

「ははは、これはずいぶんと嫌われましたな。しかし、意外と元気そうでなによりです。てっきりお亡くなりになってるかと」
「死んでないよ~。パパとママは死んじゃったけど」
「そうですか……。それはさぞ無念なことでしょう。神の御加護がありますように」
「平気だよ。だって、パパとママは私とずっと一緒に居るもん」
私は自分のお腹のあたりをさする。パパとママは私の血となり肉となり、私のことをずっと見守ってくれる。
目を閉じれば、パパとママの笑顔が。深呼吸すれば、パパとママの匂いが。唾を飲み込めばパパとママの味を思い出せる。
そう、私は一人じゃない。これからもずっと。

「ああ、そうでしょうな。天に召されても、きっとどこからでもあなたを見守っているでしょう。では、今はあの屋敷にあなた一人で?」
「そうだよ~」
「それはさぞかしご不便でありましょう。私の屋敷にいらしてはどうですか? 温かい食事に、綺麗なベットがお待ちですよ」
「ホントー!? やったぁ! 私、お泊りするー」
パパとママに悪いことしたから、反省したのかな?
お風呂も久々に入りたいし、お菓子以外のも食べたいかも~。楽しみ~。

「ささ、それではこの馬車に乗ってください。すぐにお連れいたしますぞ」
私が馬車に飛び乗ると、続いておじさんも馬車に乗った。
よーし、温かいご飯とお風呂に向けて出発進行~♪

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